抄録
器質的心疾患を伴わない心室頻拍22例と器質的心疾患を伴う心室頻拍31例のホルター心電図所見を比較検討した.
年齢, 性, prematurity index, vulnerability index, 心室頻拍の頻度, 心室頻拍の連発数については両群間で差がなかった.
しかし, 疾患群では非疾患群に比し, 右脚ブロックパターンや多源性のQRS波形が有意に (P<0.05) が多く, 心室頻拍のR-R間隔のバラツキが有意に (P<0.05) 大きかった.
平均2.1年 (2ヶ月~8年間) の経過観察において, 心室頻拍によると考えられた突然死の症例は肥大型心筋症を有する1例のみであった.