1987 年 7 巻 Suppl2 号 p. 21-24
第I群抗不整脈薬のCaチャネルに対する電気的抑制効果を調べるため, aprindine (A) , cibenzoline (C) , disopyramide (D) , lidocaine (L) , mexiletine (M) および711389-S (S) のウサギ洞結節膜電位・膜電流に及ぼす作用を検討した.A, C, D, L, M, Sの全ての薬剤により陰性変時作用, 活動電位最大立ち上り速度の低下が認められた.また膜電位固定実験により, 遅い内向き電流 (Isi) ・カリウム電流 (Ik) ・過分極で活性化される電流 (Ih) の減少及びIsiの不活性化過程からの回復の遅延が認められた.このようなslow response fiberにおける電気的抑制効果はIa・Ib群とは関連なく, A>S>C=D>M≧Lの順に強く, 分子量の比較的大きいslow kinetic drugの方がfast drugに比べ強い傾向にあることが示唆された.