心電図
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左房性頻拍症の病理組織学的研究
岡田 了三岩 喬橋場 邦武
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1987 年 7 巻 Suppl2 号 p. 72-77

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抄録

第1例, 19歳男, 1年10ヵ月に及ぶ持続性左房頻拍症の左心耳およびその付根付近の外科的切除標本.第2例, 19歳女, 白血病, 1年間の持続性左房性頻拍症の剖検心.第1例の全標本, 第2例の洞結節, 心房, 房室伝導系の連続切片を作製し, 10~20枚に1枚ずつヘマトキシリンーエオジンおよびワイゲルトーワンギーソン染色を施して光学顕微鏡的に検索した.
2例とも左心耳付根上内側に小細胞集団を発見した.大きさは洞結節の数分の1で, 移行 (T) 細胞に似た小型細胞より成り, 比較的太い動脈枝, 神経成分を含む.左側洞結節の痕跡とも考えられる異所性自働中枢とみなされた.第2例では冠状静脈洞開口部付近にも小結節様構造物を認めた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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