2008 年 23 巻 2 号 p. 151-154
病棟業務に直接関わる機会の少ないコ・メディカルスタッフにも院内感染予防の意識を浸透させるため,院内感染予防の意識・知識・実践の現状を把握し,問題点を抽出した.コ・メディカルスタッフに対して,教育・情報・手洗いに関するアンケート調査を実施したところ,院内感染対策予防に教育が重要と66.3%のスタッフが回答したのに対し,実際に勉強会に参加した事があるスタッフは49.5%と,意識と実践に解離がみられた.情報・手洗いに関しても同様の傾向があった.院内感染予防に関する知識・実践ともに乏しい科や,知識はあるが意識に偏りのある科,実践はしているものの知識が不十分な科があり,各職種によってアンケート結果に差があった.以上より,今後は,訪問勉強会の開催等,各業務内容に合わせた具体例を提示し,職種毎にフィードバックしていく事が重要と考えられた.一方,当院のICTは多職種で構成されているため,各科の状況把握が容易であった.病院全体で院内感染予防に取り組んでいくためにも,多職種で構成されているICTの活動は有用と考えられた.