日本環境感染学会誌
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報告
当院職員を対象とした麻疹感染予防の取り組み
山本 敬一村田 郁子
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2009 年 24 巻 4 号 p. 250-254

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抄録
  地域の麻疹流行に伴い,当院職員への感染ならびに院内麻疹感染防止を目的に行なった麻疹抗体価測定,麻疹ワクチン接種について報告する.対象は当院に在職する35歳未満の派遣,委託を含む全職員367名である.市販キットによる抗体検査(初回検査)で,麻疹IgG抗体が陰性または,判定保留者には,麻疹ワクチン接種を勧奨し,接種希望者に接種,接種6週間後に抗体検査(接種後検査)を行った.問診,接種は当院小児科医が行い,今回の検査,接種に係る費用は全額病院負担とした.初回検査は対象367名中331名で行い,麻疹抗体陽性者は286名(86.4%),陰性者26名(7.9%),判定保留者19名(5.7%)であった.初回検査の陰性者と判定保留者45名をワクチン接種対象者とし,妊娠中の職員,退職予定者の4名を除く41名に接種した.接種後検査では,41名中,陽性が40名,判定保留が1名であった。なお,判定保留の1名の初回検査は陰性であり,今回の麻疹ワクチン接種により不十分ながらも抗体獲得効果を認めた.
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© 2009 一般社団法人 日本環境感染学会
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