日本環境感染学会誌
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原著論文
保険薬局における感染対策の取り組み
—職員への手洗い実習とその評価—
大久保 耕嗣
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2012 年 27 巻 2 号 p. 113-118

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抄録
  当施設では,感染予防策の参加型講習会を実施してきた.職員の意識向上を目的として,蛍光法を用いた手洗い実習を行った.蛍光ローション2 mLをラビング法の要領で擦り込み,ブラックライト下で塗り残し部位を観察,記録した.その後,蛍光ローションを万遍なく擦り込み,流水と石鹸で30秒間以上手洗いを実施して洗い残し部位を観察,記録した.ラビング法は,スクラブ法に比較して手洗いミスが少なかった.手背部側に手洗いミスが多かった.手背または手掌12部位の洗い残し人数と塗り残し人数とに正の相関がみられた.すなわち手背部,手掌部ともに不確実になりやすい部分が似通っていることが判った.ラビング法において,薬剤師と事務員間で有意差が認められた.薬剤師のみならず薬剤師管理の下で事務員が,錠剤に直接素手で触れる場合もある.今後とも参加型講習会を実施することで,手洗いの知識と技術を習得する必要がある.
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© 2012 一般社団法人 日本環境感染学会
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