2017 年 32 巻 2 号 p. 85-88
Bacillus cereusによる敗血症の多くは,清拭タオルのB. cereus芽胞汚染から患者皮膚・医療者の手指などを介した輸液汚染が原因である.したがって防止対策には清拭タオルのB. cereus汚染状況の把握が必要だが,汚染の定量的測定法が確立されているとは言えない.そこで検出率を高めるためにビーズ抽出法を改良し,清拭タオルのB. cereus汚染を調査した.業者から納入された洗浄・乾燥済み清拭タオルを無作為に選択し,改良法により1枚のタオルから23か所の切片を切り出し各切片についてビーズ抽出法を行った結果,9枚中7枚にB. cereusの検出がみられた.汚染は辺縁部位に比較的多くみられた.