日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
報告
新潟県内における抗菌薬の薬物治療モニタリング実施状況の変化と実施に関連する因子の検討
片桐 裕貴三星 知片桐 光継田 雅美
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 33 巻 2 号 p. 62-66

詳細
抄録

新潟県における抗菌薬適正使用の状況について調査するために,2015年6~7月にアンケートを実施し,2007年に行ったアンケート結果と比較した.アンケートは125施設中103施設から回答を得た.新潟県内の薬物治療モニタリング(TDM)実施率は,2007年と2015年を比較して41%から70%と有意に増加し,特に感染対策チームの設置施設で有意な増加を認め,未設置施設では有意な増加を認めなかった.さらに多変量解析の結果,TDM実施に関連する因子として,バンコマイシンは認定薬剤師と感染管理認定看護師の在籍,テイコプラニンとアルベカシンは認定薬剤師の在籍に対してそれぞれ正の有意な相関を認めた.以上の結果より,新潟県内では2007年と比較し2015年においてTDMは推進されており,特に認定薬剤師がTDM実施に重要な役割を果たしていること,また感染対策チームや認定看護師との協力やサポートが重要であることが示唆された.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top