2020 年 35 巻 1 号 p. 37-42
特定感染症指定医療機関に指定された当院は,2014年に西アフリカで大流行したエボラ出血熱への対応の一環として同年10月にポータブル撮影対応flat panel Detectorシステム(FPDシステム)を導入した.その直後にエボラ出血熱疑いの患者受け入れがあり,高度安全病室内においてFPDシステムを用いたX線撮影を実施した.その経験からエボラ出血熱患者のX線撮影では早期画像観察および診断と感染拡散防止の観点でFPDシステムが非常に有用であった.そして,さらに高度安全病室内でのFPDシステムの操作をさらに軽減するためにFPD遠隔操作システムの構築を行った.FPD遠隔操作システムの原理は今後の高度安全病室内での医療機器の操作において感染制御の観点で有用である.