日本環境感染学会誌
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乳幼児健診等で使用した玩具に付着した細菌と消毒効果
浦野 こな実岡山 加奈荒川 満枝
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2025 年 40 巻 3 号 p. 142-147

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抄録

市町村が実施する乳幼児健診等では,発達状態の観察や待合室での遊びのために玩具が使用されていたが,COVID-19の影響でより厳格な消毒が求められた.そこで,実際の乳幼児健診で使用される玩具の細菌汚染の状況を明らかにするとともに,様々な消毒・洗浄方法の効果を比較して,玩具の素材ごとに,より効果的な消毒方法を検討した.

A県A町の乳幼児健診等に参加した3歳児にはプラスチック製玩具,1歳6か月児~2歳児には木製玩具,乳児には布製玩具をそれぞれ配布し,事業中に使用されたものを回収した.エタノールや次亜塩素酸ナトリウム,洗浄など各方法で消毒し,玩具の形状や素材特性に応じて細菌を採取・培養し,消毒前後で細菌数を比較,減少率を割り出した.各細菌減少率はKruskal-Wallis検定を行い,有意差が認められた場合は多重比較を行った.さらに,細菌減少率90%以上のものを除菌成功としてその率を算出し,効果的な消毒方法について検討を行った.

玩具の細菌汚染は使用した児によってばらつきが大きかった.消毒効果は,プラスチック製玩具はエタノール清拭,次亜塩素酸ナトリウム清拭が,木製玩具はエタノール清拭,次亜塩素酸ナトリウム清拭,洗剤洗いが,布製玩具は,エタノール浸漬,次亜塩素酸ナトリウム浸漬,洗剤洗いが特に有効であった.

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