日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
原著
ルミノール化学発光法を用いた手術室看護師のガーゼカウント時の血液曝露の実態調査
橋口 里佳井上 彩衣原 健太朗
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 41 巻 1 号 p. 13-18

詳細
抄録

本研究は,手術室外回り看護師がガーゼカウント時に使用したプラスチックガウンに対し,手術室看護師の血液曝露の実態を明らかにすることを目的とした.

対象手術は91例で,その結果外回り看護師が使用したプラスチックガウン222枚を収集し,ルミノール試薬を用いてプラスチックガウンへの血液曝露状況を評価した.その結果,プラスチックガウンの83枚(37.4%)で血液曝露を認め,そのうち18枚(21.7%)は複数箇所に血液曝露が見られた.全手術のうち41例(45.0%)に血液曝露を認め,血液曝露部位では,右袖(35.9%),次いで下部(22.8%)が多い結果となった.血液曝露群は非曝露群と比較して,手術時間,出血量,ガーゼカウント回数,麻酔法で有意差がみられた(それぞれp<.01).さらに,出血量・使用ガーゼ枚数のROC解析の結果,出血量が25.0 mL以上,ガーゼの使用が15枚以上で,血液曝露が起こる可能性があることが明らかとなった(それぞれp<.01).

本研究より,外回り看護師のガーゼカウント時には身体にも血液曝露を受けており,術式を問わず出血量が多い手術がリスクであることが考えられた.すべての手術において,ガーゼカウント時にはプラスチックガウンを着用する重要性が示唆された.

著者関連情報
© 2026 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top