日本環境感染学会誌
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報告
救急外来における血液培養採取セット数制限下での抗菌薬使用状況調査
児玉 暁人, 光田 真理子, 中田 淑子
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2026 年 41 巻 2 号 p. 89-95

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抄録

血液培養ボトルの供給制限により,採取セット数を2セットから1セットへ変更した状況下での抗菌薬の使用状況を調査した報告はない.血液培養ボトル不足により,当院では血液培養1セット採取となったが,血液培養採取セット数の変化が抗菌薬の使用に与える影響については不明である.そこで抗菌薬の適正使用の観点から血液培養採取セット数の制限前後での抗菌薬使用状況について調査を行った.対象期間を血液培養2セット採取期間(期間A:2024年5,6月)と1セット採取期間(期間B:2024年7,8月)に分け,救急外来を受診後に入院となった701例を後方視的に調査した.期間Bでは血液培養2セット採取率が大幅に減少し,ほぼ1セット採取となった.初期抗菌薬として広域抗菌薬が選択された割合,de-escalation実施率,広域抗菌薬投与日数で統計学的な差は認められなかった.血液培養陽性例に限定した比較では,期間Bにおいてde-escalation実施率が低い傾向にあり,広域抗菌薬の投与日数中央値が延長する傾向が見られた.一方,血液培養陰性例においては,広域抗菌薬の使用状況に大きな変化は見られなかった.血液培養採取セット数の制限は,特に血液培養陽性例においてde-escalationの判断を困難にし,広域抗菌薬の投与期間を延長させる傾向にあるものの,短期間の制限が抗菌薬使用へ与える影響は少ない可能性が示唆された.

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