環境感染
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感染管理担当看護師の地域ネットワークへのニーズアセスメント
宮城県内におけるICNネットワークの立ち上げに向けて
大須賀 ゆか土屋 香代子伊藤 和子菊池 ひで子小山田 厚子小泉 みどり松野 あやえ松田 裕子
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2006 年 21 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

宮城県内医療機関で感染管理に携わる看護師のネットワーク構築に向け, 看護師の地域ネットワークへのニーズをあきらかにすることを目的に, 宮城県内147病院の感染管理担当看護師147名を対象に質問紙調査を実施した. 調査内容は, ネットワークの必要性と参加希望, ネットワークの機能である情報の共有・学習の機会・専門家の助言においてニーズが高い感染管理業務, 情報の共有・学習の機会・専門家の助言の具体的な方法とした. 回答が得られた看護師79名中, 71名がネットワークの必要性を感じており, 65名が参加を希望していた. 情報の共有のニーズには, アウトブレイク時の対応, 新興感染症への対応, ICC/ICT活動が認められた.学習のニーズには, 感染防止教育の計画・実施・評価, 新興感染症への対応, リンクナース活動が認められた. 専門家の助言へのニーズには, アウトブレイク時の対応, 感染防止教育の計画・実施・評価が認められた. 情報の共有・学習の機会として, 63名が定期的な集まりを希望していた.希望する学習方法は, 講義形式, 演習, グループワークであった. 希望する専門家の助言方法は, 病院内のラウンドや会議への参加であった. 調査結果より, 感染管理担当看護師の地域ネットワークへのニーズの概要があきらかになった. 調査結果をふまえ, 医療・行政・教育機関が協働し, 宮城県内医療機関で感染管理に携わる看護師のネットワーク活動を展開していく.

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© 日本環境感染学会
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