環境感染
Online ISSN : 1884-2429
Print ISSN : 0918-3337
ISSN-L : 0918-3337
病院改修時におけるアスペルギルス抗原検査によるサーベイランス
寺田 喜平黒川 幸徳
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 21 巻 3 号 p. 175-179

詳細
抄録
病院改修時にアスペルギルス胞子が舞い上がり, 入院中免疫抑制患者に侵襲性アスペルギルス症の増加が報告されている. 2002年11月より当院の改築が開始となったため, サーベイランス方法について検討を行った. 第1回アスペルギルス抗原の検討では1999年前半から2002年前半まで抗原粗陽性率は4%以下であったが, 2002年後半7.6%, 2003年前半14.3%と増加した. 入院診療録から抗原陽性となった免疫抑制患者数を検討したが増加を認めなかった. 2002年9月から検査法が凝集法からELISA法に変更され, 感度の増加が原因と考えられた. 第2回は同一患者からの重複検体を除外し, 患者陽性率を調査した. 2004年前半3.5%, 後半3.2%, 2005年前半6.3%と増加していた. また血液内科の入った病棟で増加を認め, 病棟の実地調査からクリーンルーム移動に際した病棟内工事との関連が疑われた. 侵襲性肺アスペルギルス症患者は幸い発生せず, ターミナル患者においてアスペルギルス抗原が陽性化した. その後院内での啓発と病棟での対応についてマニュアルを作成した. アスペルギルス抗原陽性率のサーベイランスと実地調査が有効な方法であると考えられた.
著者関連情報
© 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top