環境感染
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当院における針刺し切創の現状と今後の課題
畑中 重克門谷 美里高橋 陽一小泉 祐一
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2006 年 21 巻 3 号 p. 185-190

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抄録
1996年4月より2004年11月まで約8年間の針刺し・切創報告について, EPINet日本版 (以下エピネット) 報告書式に記入されたデータを, 当院独自のソフトで入力・分析し, 月別・職種別. 経験年数別・場所別・原因別・器材別の件数や割合を求め, それらと針刺し・切創のリスクとの関連性について検討した. 発生件数の年次推移は, 年々減少した. 特に使い捨ての注射器の針での針刺しが減少しており, 2001年に導入した安全装置付き血液ガス採血セットの効果があったと判断できた. 発生場所別では病室が最も多かった. 器材別では使い捨ての注射器の針が最も多く, 次いで翼状針の順であった. 原因別では, “リキャップ時”が最も多く, 次いで“廃棄するまで”の順であった. しかし, 年次推移を見ると, 総件数のうち“リキャップ時”の占める割合は減少傾向を示し,“廃棄するまでの間”の占める割合は増加傾向を示し, リキャップ禁止が定着しつつある現状で, 病室は針の使用頻度が多いにもかかわらず針廃棄容器が近くになく, すぐに廃棄できない状況がうかがえた. 今後針の種類に適した廃棄方法の確立とその定着化が必要であると思われた. 針刺し・切創報告の集計公表は, 実施してきた事故防止対策の長期的な検証に効果があった. 一方, 受傷職員のHBs抗体保有率が低いことも露呈し, 予防対策の構築が急務であった.
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© 日本環境感染学会
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