抄録
長崎県では、2003年、2004年、2014年に起こった重大な少年事件についての検討から、2015年10月、長崎大学病院地域連携児童思春期精神医学診療部が設立された。事件の振り返りから、このような事件の発生を防ぐためには、医療機関と教育機関との連携が必須であると考えられた。
当診療部では、学校との連携について以下のようなことを行っている。まず神経発達症による問題と児童虐待などによって生じる愛着・トラウマの問題に対し、包括的なアセスメントを行い、結果を本人・家族だけではなく、学校とも共有する。次に教員に対して、発達のかたよりがある子どもには、その子の発達特性に合った指導を行うこと、愛着・トラウマの問題がある子どもには、トラウマインフォームドケアを念頭に置いた対応を行うことを説明し、子どもに対して適切な指導が行われるように導く。また家庭と学校との対立の構造に介入していく。
本稿ではこのような学校への介入を中心に、当診療部の取り組みを紹介する。