抄録
神経発達症児等の支援として、学校等への訪問支援、コンサルテーションが行われている。本稿では、著者が行ってきた特別支援教育における巡回相談、長崎大学子どもの心の医療・教育センターの取り組みの内容を紹介し、今後の課題について述べる。
著者が行った巡回相談では、学校から、授業中の観察と支援方法提案、保護者の相談、保護者へのアドバイス、個別検査、保護者及び教師への講話、等の依頼があり、対応した。これらを通して、巡回相談では、子どもの普段の行動を見て特性をとらえることができたり、医療機関につながりにくい子どもへの支援ができたり、教師と話をすることで子どもの普段の様子を把握できたり、学校内の環境要因の改善につなげられたりする等の利点があると考えられた。
我々の調査では、保育園等に多くの神経発達症の可能性がある子どもがいることが示され、普段子どもを取り巻く人の理解と支援を促すことは重要であることが示唆された。そのため、長崎大学子どもの心の医療・教育センターでは、訪問支援やeラーニングによる保育士、教師、療育関係者等への講義の配信を行っている。
ここで紹介する巡回相談等のアウトリーチ支援や子どもを取り巻く人への専門的知識の提供は神経発達症児の支援において、重要と考えられる。今後、このような取り組みに精神医学の専門家が参与することが望ましいと考える。