2013 年 26 巻 1 号 p. 51-53
小児泌尿器科疾患に対する低侵襲手術として腹腔鏡手術が拡がり,腎盂形成術は腹腔鏡技術認定の審査対象術式にも指定されることになり,標準的術式として確立されつつある.更なる,低侵襲手術法として,単孔式腹腔鏡手術(Laparoendoscopic single-site surgery:LESS)が泌尿器科領域にもひろがり,小児症例に対するLESSの試みも少しずつみられる1-3).
当科では2006年より小児泌尿器科疾患に対してLESSを開始し報告した4,5).まず,精索静脈瘤に対する血管結紮術を行い,尿管異所性開口に伴う低形成腎の腎摘除術さらに腎盂形成術,そして精巣摘除術・固定術をLESSで行った(Table 1).今回,当科で行ってきた小児泌尿器科疾患に対するLESS症例につきその術式と成績について報告する.