Japanese Journal of Endourology
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体腔鏡手術
腹腔鏡下膀胱全摘除術~術式の確立を目指して~
澤田 篤郎奥村 和弘
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2013 年 26 巻 1 号 p. 98-103

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抄録
 近年低侵襲手術が急速に広まり,前立腺癌では腹腔鏡下・ロボット補助下前立腺全摘除術が,腎癌では腹腔鏡下腎摘除術・腎部分切除術が標準治療になりつつある.しかし膀胱癌に対する根治的膀胱全摘除術は,現在でも多くの施設で開腹手術が行われれている.これは腹腔鏡下膀胱全摘除術が難易度が高く時間がかかるうえ,確立した術式がないことなどから開腹術を選択する施設が多いものと考える.しかしこの手術は大きな皮膚切開を加えるうえ腸管を利用した尿路変更術と合わせて行われるなど,泌尿器科領域において最も侵襲性の高い手術である.従って膀胱全摘除術こそ低侵襲手術のメリットが大きいと考え,我々は2003年より腹腔鏡下膀胱全摘除術を開始し,試行錯誤のうえ一つの術式を確立するに至った.この術式を紹介するとともに我々が注意している点などについても説明する.
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© 2013 日本泌尿器内視鏡学会
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