2007 年 10 巻 1 号 p. 52-60
当センターでの臨床倫理検討会の取り組みを通して,救急領域でどのような倫理的問題点があるのか検討した。対象と方法:治療方針の決定などで問題となった18例を対象とした。東北大学清水哲郎教授が開発した臨床倫理検討シートを用い,倫理的問題点を臨床経過や治療方針,患者・家族への説明と意思,当事者間の一致・不一致などに即して,医師,看護師,臨床倫理の専門家で検討した。結果:救急領域における倫理的問題点として,①侵襲的治療の適応,②救命治療の継続の是非,③代理人の選定,④限られた資源の活用の問題が明らかとなった。結論:救急領域で生じる診療上の分岐点について,臨床倫理検討シートを活用することで共通する倫理的問題点が明らかとなり,治療方針の決定や診療上の問題点の解決を行うことが可能と考えられる。