2007 年 10 巻 1 号 p. 47-51
当院では,分娩後大量出血症例に対して産婦人科と救急部が共同で治療にあたっている。過去5年間で救急部入院となった分娩後大量出血症例は6例あり,平均年齢は31.1歳,疾患の内訳は弛緩出血3例,子宮内反症1例,常位胎盤早期剥離1例,羊水塞栓症1例であった。救急部医師の診療開始時6例全例出血性ショックの状態であり,全例に輸血を施行した。うち4例には,O型緊急輸血(放射線照射済みO型Rh(+)血を輸血する当院の緊急輸血システム)を施行した。止血方法としては,弛緩出血3例に対して経カテーテル動脈塞栓術(以下TAE),子宮内反症1例に対して内反整復術,羊水塞栓症1例に対して子宮摘出術を施行した。常位胎盤早期剥離1例は保存治療で止血し得た。羊水塞栓症の1例は死亡したが,他5例は生存・独歩退院した。分娩後大量出血症例に対して,O型緊急輸血およびTAEはきわめて有効であった。