2007 年 10 巻 3 号 p. 312-316
本市では,三次医療機関が,軽症の患者を含めて,搬送人員の3分の1の患者を受入れており,三次の本来機能への影響が危惧される。また,病院照会件数はその約4割弱が収容不可という結果であり,こうした状況が医療機関への収容所要時間の遅延の要因になっていると考えられる。本市は,こうした課題に対応するため,診療体制の確保と医療機関の機能分担という観点から,既存事業を再編して平成18年に病院群当番制事業を開始したが,当番病院の配置や数の問題から,期待される効果が目に見えるかたちで発揮されるには至っていない。現在,当番病院の増強等の取組みが進められており,さらなる体制の充実が期待される。消防としても,積極的に関与し,円滑な救急医療の実現に向けて引き続き努力していきたい。