埼玉県下で開催したメディカルラリーの経験を報告する。 1日(約8時間)の日程。スタッフ98名,競技者57名(12チーム)。想定は4事例で,①小児のVFとPablic Access Defibrilation(以下,PADと略す),②通り魔による複数傷病者,③非番日にコンサート会場でテロに遭遇,④瓦礫の下での救護とした。競技者は全想定に挑戦し,その対応をスタッフが採点し,終了後に要点を解説した。全プログラム終了後に参加者全員にアンケート調査を行った。競技者のうち,想定に関しては87%が,評価基準に関しては89%が「適切」と回答した。スタッフからは87%が「競技者の行動から学ぶものがあった」と回答があった。日程に関しては,競技者の大多数は「適切」,スタッフの36%は「きつい」と回答した。全体としては,斬新なテーマ,リアルな状況設定,既存のプロトコールにとらわれない評価方法がうまく噛み合って,競技者・スタッフともに高い満足度が得られた。開催を重ねてさらに洗練させたい。