2007 年 10 巻 4 号 p. 443-448
症例は79歳女性。航空機内で呼吸困難を呈し,泉州救命救急センターに搬入された。来院時,心嚢液貯留,心不全,および肺炎,呼吸不全を呈していた。心嚢液より緑膿菌が培養され,緑膿菌による心外膜炎と診断した。心タンポナーデを合併したため,抗生物質の投与に加え,心膜開窓持続ドレナージを行った。呼吸不全に対しては気管切開を含む人工呼吸器管理を行った。化膿性心外膜炎は心タンポナーデを高頻度に合併するため,感染徴候の明らかな心嚢液貯留症例には,心嚢穿刺を行い,心嚢液の性状から化膿性心外膜炎が疑われた時は,早急に心膜開窓持続ドレナージを行うことが重要である。