2008 年 11 巻 3 号 p. 305-308
ACE阻害薬は今や全世界で広く日常的に使用されている降圧剤である。しかしながら血管性浮腫といった生命にかかわる副作用も報告されている。長期間にわたってACE阻害薬を内服していたが,血管性浮腫による気道緊急を生じ,緊急気管切開術により救命した症例を報告する。症例は58歳女性で既往歴に高血圧があり,10年間,ACE阻害薬による治療を受けていた。ACE阻害薬内服後,下顎の腫脹,発声困難が生じたため救急要請となった。喉頭の浮腫が強く気管挿管不能であったため,緊急気管切開術を施行した。患者本人の要請によりACE阻害薬を用いて再投与試験を行い,血管性浮腫の原因はACE阻害薬と判断した。ACE阻害薬長期内服中の患者でも本症例のように重篤な副作用が出現することを認識する必要がある。