日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救急車・ドクターカー積載のアドレナリン等の安定性に関する研究
早原 賢治大谷 仁士中山 伸一
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2008 年 11 巻 4 号 p. 369-376

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抄録

目的:救急車, ドクターカーの車内温度変化および積載した薬剤の安定性への影響を検証する。対象と方法:保管薬剤は,プレフィルドシリンジのアドレナリン,アトロピン,リドカインとした。温度測定は,温度データロガーにより20分ごとに測定と記録を行った。薬剤の保管期間は,1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月の3期間とし,夏期と冬期に分けてそれぞれ行った。同薬剤の安定性試験は,性状,pH,有効成分量について行った。結果:救急車内の最高温度は38.5℃,最低温度は0℃。ドクターカー内の同温度は40℃,11℃であった。結論:すべての薬剤および保管期間において,救急車およびドクターカー車内は室温を逸脱し,とくに夏期において,その逸脱は顕著であり,保管条件について留意する必要があるが,積載された薬剤の性状,pH,有効成分量はすべて規格内であった。

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© 2008 日本臨床救急医学会
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