目的:離島等のへき地を有する小規模自治体の初期救急医療の現状を分析し,課題について検討する。方法:平成19年9月に全国の市区町村の地域保健担当者を対象に記名式調査を行った。結果:1596市区町村から回答が得られた(回答率874%)。全市町村の初期救急医療の対応施設は,初期救急専門施設25%,一般の医療機関41%,市町村外の医療機関26%であった。人口5万人未満の小規模の自治体においては,初期救急専門施設をもつところは少なく,市町村内の一般医療機関と市町村外の医療機関によって対応されていた。比較的交通アクセスがよいへき地をもたないところでは,市町村外の施設による対応が多く,交通アクセスが悪い離島,離島以外のへき地では市町村内の一般医療機関の対応割合が高かった。結論:社会資源が十分ではない小規模の自治体は,近隣の自治体との連携をふまえて,適切な初期救急医療体制を構築する必要がある。