日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
東京都内救命救急センターにおける高齢者心肺停止患者収容の問題点
横堀 將司田村 益己田中 俊尚増野 智彦佐藤 格夫布施 明辻井 厚子川井 真久志本 成樹横田 裕行
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2020 年 13 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

高齢者人口の増加に伴い高齢者の心肺停止(以下CPA)患者の搬送も増加しているが,治療意思が確認されずに搬送されるケースや,病態改善が得られにくいケースも経験する。高齢者CPAの受け入れに対する問題点を明らかにすべく本調査を行った。都内救命救急センター22施設に年間CPA搬送件数,心肺停止に至った原因と考えられる傷病名,治療方針をどのように決定しているかなどについて無記名にてアンケートを行った。その結果,14施設(63%)から回答を得て,うち84%の救命救急センターが高齢者CPAは増加していると回答し,70%が高齢者CPA受け入れは蘇生希望の確認に手間取る,蘇生後の転院が困難であるなどの理由から診療の負担増になっていると回答した。またかかりつけ医との情報交換,蘇生希望の事前意思確認が必要であると回答した。救命救急センター側からの意見として,事前意思確認,かかりつけ医や施設医との連携を求める声が多かった。今後はこれら救命救急センター側の意見を反映させ, シームレスな連携を検討したい。

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© 2020 日本臨床救急医学会
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