2010 年 13 巻 1 号 p. 8-12
目的:救急隊員等が院外心停止(OHCA)症例に対して的確にShock-firstあるいはCPR-firstを実施したか否かを明らかにする。方法:2007年4月1日より同年9月30日までの間,当地区で発生したOHCA 104例を対象とした。心停止の目撃とバイスタンダーによるCPR(BSCPR)の的確な施行の有無を調べ,Shock-firstか否かを後ろ向き(retrospective)に判定した。そののち,個々の症例について実際に救急隊員等がShock-firstで活動したのか否かを調査した。結果:Shock-lrstを実施した症例は70/104例。このうち8例はShock-firstを実施すべきであった。残る34例にはCPR-firstを実施したが,34例全例がCPR-firstを実施すべきであった。したがって,正しく実施できていたのは計42/104例(40.4%)であった。結論:当地域では救急隊員等のShock-firstあるいはCPR-firstの遵守率が低かった。