2010 年 13 巻 3 号 p. 389-393
泉州二次医療圏では,関西国際空港における航空機事故を想定した災害救助訓練や,地域メディカルコントロール協議会が主催する救急救命士対象の勉強会を通じ,災害時の救護活動訓練・教育を行ってきた。しかし,高速道路のトンネル内で発生した車1台とバス3台による多重衝突事故において,地元消防機関,大阪府立泉州救命救急センターの医療班が現場に出動し傷病者の救護にあたったが,消防・医療機関間の連携が不十分で,事故現場での救護活動および医療機関への傷病者搬送に問題がみられた。今後適正かつ円滑な救護活動を実践するためには,①災害時の救護活動に関する両機関共通の行動原則の策定,②行動原則に基づいた訓練と活動,③実際の救護活動の検証,④行動原則の修正,を両機関合同で実施できる体制の整備が必要である。