2010 年 13 巻 4 号 p. 529-533
症例は82歳,男性。嘔気・両肩の痺れ・下肢の不随意運動を主訴に救急受診。右足のミオクローヌス以外に症状なく,血液・画像検査上 異常なく,症状も消失したため,帰宅とした。翌朝,両肩の痺れ・両下肢の脱力感・左下肢の不随意運動を主訴に再来。左下肢のミオクローヌス以外は神経学的異常なく,血液・画像検査上 異常なく,症状もほどなく消失して歩行も可能となる。経過観察中,左半身の不全麻痺・右側表在覚障害・排尿困難出現し,Brown-Séquard様の症状を呈した。頚髄MRIにてC3-C5部位にT2高信号あり,髄液検査などで他の疾患が否定的であり,脊髄梗塞として入院加療とした。本症例ではTransient Ischemic Attack(以下TIAと略)を繰り返した後,症状が完成したものと思われた。