日本臨床救急医学会雑誌
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臨床経験
プロポフォール単剤による救急患者における迅速気管挿管
森本 文雄池上 敬一
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2010 年 13 巻 4 号 p. 525-528

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抄録

方法:プロポフォール単剤による救急患者における迅速気管挿管の状態を,下顎の弛緩,喉頭鏡に対する抵抗,声帯の位置,声帯の動き,チユーブ挿入時の刺激による四肢および横隔膜の動きで評価した。結果:22例全例がプロポフォール単剤で気管挿管できた。下顎の弛緩は21例で良好で,喉頭鏡に対する抵抗もなかった。声帯は13例(59%)が開口状態で,動きもなかった。チューブ挿入時の刺激に対して11例(50%)で四肢の動きはなく,10例(45%)で横隔膜の動きもなかった。チューブ挿入時の刺激に対し2例(10%)で四肢は激しく動き,2例(10%)で横隔膜が激しく動いた。うち1例は四肢・横隔膜ともに激しく動いた。気管挿管時の総合評価は,excellent 10例(45%),good 9例(41%),poor 3例(14%)であった。まとめ:プロポフォール単剤で,救急患者における迅速気管挿管可能な状態が作成できる。

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© 2010 日本臨床救急医学会
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