目的:二次救急病院数が減少するなか,残存する二次救急病院である当院への救急搬送人数の変化につき検討した。対象および方法:平成16年からの5年間に当院に搬送された患者を対象とし,地域別に搬送人数・入院人数の推移を検討した。結果:搬送人数は経年的に増加し,19年度にいったん減少したが再度増加した。地域別では,柏原・羽曳野・藤井寺(以下 柏羽藤)で有意に増加した。入院人数は経年的に増加し,柏羽藤で有意に増加した。考察および結論:いずれの地域においても搬送人数は減少傾向にあるが,当院への搬送人数・入院人数はともに増加し,背景には二次救急病院数の減少があった。2つの医療圏に属する柏羽藤では,3病院が救急告示を取り下げ,医療圏を越えて二次救急患者を搬送していると考えられる。二次救急病院数が減少すると残存した二次救急病院の負担は大きく,三次救急医療機関がそれを補わざるを得ない状況であると理解すべきである。