日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
医療者が自ら緊急走行で現場出場する際の安全を確保する方策
間渕 則文山田 富雄山崎 潤二稲垣 雅昭成松 紀子飯田 裕子大森 隆夫安井 稔博笹野 寛中川 隆
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2010 年 13 巻 6 号 p. 720-724

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抄録

新型ドクターカーの導入に伴い緊急走行するための訓練法,適正走行の検証法を考案した。消防・警察の訓練はOJT(on the job training)が中心なので,今般われわれ自身で多くの部分を手作りせざるを得なかった。訓練としては,まず車両そのものに慣熟する訓練を路上で行い,緊急走行の訓練は走行課題や検定評価表も自作して自動車学校コースで実施した。さらに警察による緊急走行時の心得講義を受けた。また,唯一の公的訓練である安全運転中央研修所での一般緊急自動車運転技能者課程も受講している。加えて緊急走行中に事故に遭遇した場合のマニュアルも策定し,緊急走行実施後にはドライブレコーダ記録により地元消防本部の救急救命士と医療施設側責任者での検証を行っている。今後,ドクター カーやDMAT(Disaster Medical Assistance Team)などで医療者自身が緊急走行する機会は増加してくるものと考えられ,安全担保の標準策は学会などで策定されるべきと考える。

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© 2010 日本臨床救急医学会
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