日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
調査・報告
亜急性期に県外へ転院となった観光者の検討
岩下 具美高山 浩史高木 誠佐藤 貴久関口 幸男岡元 和文
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 13 巻 6 号 p. 714-719

詳細
抄録

近年の病病連携促進で,県内の亜急性期医療施設への転院は円滑になった。一方で県外在住者の転院は難航し,理学療法の遅延や家族負担が増大することがある。亜急性期に県外施設へ転院となった観光客を対象とし,転院依頼開始から転院までの日数(待機期間)を,長野県内の急性期対応施設全45病院に後向き調査した。回答率は69%。対象者総数は24ヶ月で252人,外因性疾患が65%を占めた。内因性疾患は脳卒中(53%)が最多で,外因性疾患は下肢外傷(43%),脊椎・脊髄損傷(29%),頭部外傷(14%)の順であった。冬季(1-3月)と8月にピークがあり季節変動を認めた。転院先は,家族(66%)がおもに探していた。待機期間は,平均9.7日で2週間以上要した疾患は,内因性が脳卒中(76%),外因性が頭部外傷(37%)で各1位であった。待機期間が長期化する因子は,「県外医療体制の情報不足」,「脳疾患」が挙がった。県外在住者の円滑な転院には,傷病者在住地の医療体制が県外からも情報共有できるシステム構築が必要と考える。

著者関連情報
© 2010 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top