2010 年 13 巻 6 号 p. 725-730
常用中の炭酸リチウムを一度に7.2g服用した28歳女性の急性リチウム中毒の1例を経験した。嘔吐・眼振・意識レベル低下およびQTc時間の漸次延長を認めたため,緊急血液透析(HD)を施行し持続血液濾過透析(CHDF)を引き続き行った。HD・CHDFともに血中濃度の低下に有効な治療法であった。CHDFをHD後に連続して施行することにより,HD後の血中濃度再上昇が防止できた。また,QTc時間は血中濃度と比較的相関しており,全身症状のほかにQTc時間をはじめとした経時的な心電図変化も,HDの適応判定およびCHDFの離脱判定に有用である可能性が示唆された。今後,腸管からの吸収期を考慮したHD施行時間の延長や,CHDF後の再上昇を予防するための24時間程度を目安と したCHDFの継続使用の検討が必要である。