2011 年 14 巻 1 号 p. 57-62
食道破裂はまれな疾患ではあるが,致死率の高い疾患であり,救命するためには早期診断,早期治療が重要である。今回われわれは,適切なドレナージを行うことにより救命できた食道破裂の1例を経験したので報告する。症例は48歳男性で,突然の嘔吐と胸痛を主訴に前医を受診した。胸部CT検査にて食道破裂と診断され当センターヘ搬送となった。胸部CT所見にて両側の胸水,気胸がみられたため胸腔ドレナージを行った。フォローアップのCT,エコー検査にてドレナージの不良部位がみられたため,ドレーンチューブの再挿入と位置の調整を行った。ドレーンチュープの位置の調整により胸水と気胸は消失し,全身状態は改善した。第43病日に経過観察の目的にて外科一般病棟へ転棟となった。食道破裂の重症例は手術療法が基本であるが,適切なドレナージにより保存的加療が可能な症例もあると考えられる。