日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
救命救急センターにおける手指衛生・個人防護具の着用状況に焦点をあてた吸引手技の現状調査
国島 正義松尾 直樹香川 泰寛森光 毅田槙 幸子宮加谷 靖介
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2012 年 15 巻 4 号 p. 523-528

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抄録

吸引手技における手指衛生・個人防護具の着用についての現状を調査し,救命救急センターにおける吸引手技に関する感染防止の問題点に影響を与える因子を明らかにすることを目的とした。吸引前後の手指衛生・個人防護具の着用についてチェックリストを用いて評価を行った。各チェック項目に得点をつけ,影響因子もチェックした。チェック項目と影響因子別にカイ2乗検定を行い,連関係数を算出した(p<0.05)。総合得点では,吸引前の手洗いが最も得点が低く,個人防護具の着用ではマスク着用が最も得点が低かった。手洗いの遵守に関して, 日勤帯,2年目看護師,続けて処置を行った場合に遵守率低下に影響があることがわかった。個人防護具では,手袋の着用はできており,エプロンの着用に関しては,急遠吸引が必要になった状況で影響があり,マスクの着用では,経験年数や受け持ち人数によって遵守率に差があることがわかった。

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© 2012 日本臨床救急医学会
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