2012 年 15 巻 4 号 p. 529-535
病院前分娩事例は相当数存在し,昨今の事情から,非周産期医療従事者が対応せざるを得ない場面は今後増加傾向にあると推察される。産科救急に遭遇する可能性があるプロバイダーすべてに対する標準化されたコースを目標に,周産期のより切迫した内容に特化したBasic Life Support in Obstetricsプロバイダーコースを作成した。受講動機に対するアンケートでは,受講生は産科診療に強く苦手意識をもち,同時に周産期救急医療への貢献を考え,受講していることが示された。筆記試験・実技試験の得点,コースに対するアンケート結果を解析したところ,職種を問わず受講生の得点の有意な上昇とニーズの充足があり,本コースは職種を問わず一定の教育効果の役割を果たしていることが示された。