日本臨床救急医学会雑誌
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原著
二次救急医療機関における開業医応援当直試行の有効性
網木 政江福田 進太郎西村 伸子田村 一恵原 哲也
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2012 年 15 巻 5 号 p. 625-634

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抄録

目的:二次救急医療機関における開業医応援当直の試行結果からその効果および導入に向けての課題を検討する。方法:二次医療機関の1施設にて,2010年4月1日~11月31日(244日間),開業医応援当直を試行した。救急患者数の変化および診療に携わった勤務医,開業医,看護師の意識を調査し,その効果と課題を検討した。結果:救急患者総数および救急搬送数は,開業医応援当直日のほうが勤務医のみの当直日より有意に多かった。開業医応援当直は勤務医の負担軽減につながったが,【応援時間帯】【医師の負担】【医療者間の連携】【オーダリングシステム】【報酬】に関する課題が明らかとなった。結論:開業医応援当直は勤務医の負担軽減の一助となり,二次医療機関の機能を維持するうえで有効である。導入に向けては,『開業医と協同した体制づくり』と『院内ルールの整備』について, さらなる検討が必要である。

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© 2012 日本臨床救急医学会
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