2012 年 15 巻 5 号 p. 685-689
目的:東日本大震災後の医学生の行動とボランティア活動について検討した。方法:平成23年9月の卒業試験において,震災当時5年生であった山形大学医学部医学科生を対象にアンケートを行った。調査内容は,震災直後の行動とボランティア活動の内容と場所,Disaster Medical Assistance Team(以下,DMAT)や災害医療班への参加希望などである。結果:卒業試験を受けた101名が対象となった。地震後の17時以降は,医学部に29名おり,うちの7名は病院業務を手伝った。その後,災害ボランティアに参加したものは45名であり,活動場所は山形県32名,宮城県16名などであった。活動内容は,医療ボランティアを行ったのは6名であった。将来,DMATに対しては42名が,災害医療班については67名が参加したいと回答があった。結論:今回の震災後には医学生が医療ボランティアに参加する学生もいた。しかし,現在の大学教育では災害医療の講義や実習は十分とはいえず,さらなる教育の充実が望まれる。