日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
胸腔鏡下手術にて治療した鈍的外傷による大量血胸の3例
河内 順池谷 佑樹磯貝 尚子下山 ライ荻野 秀光渡部 和臣篠崎 伸明前川 貢一
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2013 年 16 巻 1 号 p. 30-34

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抄録

鈍的外傷による大量血胸に対し胸腔鏡下に止血した3例を報告する。症例1は85歳男性。転倒し右胸部を打撲。右血胸あり,胸腔ドレーンからは挿入時1,000ml,その後1時間で300mlの出血を認め,胸腔鏡下に右肋間動脈からの出血を凝固止血した。症例2は68歳男性,バイク事故。右血気胸,左気胸,胸椎破裂骨折あり。胸腔ドレーンからは挿入時400ml,その後200ml/hrの出血を認め,胸腔鏡下に肺部分切除を行い止血した。症例3は83歳女性,転倒で受傷。右血胸あり,胸腔ドレーンから挿入時900mlの出血を認め,胸腔鏡下に胸壁からの静脈性の出血を止血した。血行動態が安定している鈍的外傷による大量血胸に対して胸腔鏡下手術は有用である。

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© 2013 日本臨床救急医学会
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