2013 年 16 巻 2 号 p. 91-94
救命救急の集中治療室(Intensive Care Unit:ICU)で家族が亡くなった遺族の精神的健康度と複雑性悲嘆について調べた。調査方法は質問紙による郵送調査であった。患者の死後1年から2年以上が経過した25名から回答があった。精神的健康度の平均値は6.24とカットオフ値より高く,対象全体の32%にリスクがあった。複雑性悲嘆尺度の平均値は24点と,カットオフ値より低かったが,対象全体の44%はカットオフ値よりも高かった。この結果から,遺族は精神的健康のリスクがあり,複雑性悲嘆を感じている方も半数近くいることが明らかになった。これより,遺族への心理面へのケアの必要性が示唆された。