日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
合成プロテアーゼ阻害剤から遺伝子組み換え型ヒトトロンボモジュリン切り替え後の当院でのDIC治療の変化
吉廣 尚大櫻谷 正明吉田 研一
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2013 年 16 巻 4 号 p. 581-588

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抄録

当院は2010 年より,播種性血管内凝固症候群(以下DIC)に対して遺伝子組み換え型ヒトトロンボモジュリン(以下rTM)を用いている。そこで,DIC 症例を対象に,治療薬として合成プロテアーゼ阻害薬(以下SPI)を使用した患者群(非rTM 群)と,rTM を使用した患者群(rTM 群)において,輸血・血液製剤使用量,凝固系マーカーの推移について後ろ向きに検討した。2009 年1 月から12 月までに集中治療室(以下ICU)に入室した非rTM 群27 症例と,2010 年1 月から2012 年3 月までにICU に入室したrTM 群34 症例を比較した。rTM 群では非rTM群に比べ新鮮凍結血漿と血小板製剤の使用量が有意に少なかった(P=0.04, P=0.05)。rTM の使用が輸血・血液製剤使用量を減少させる可能性がある。

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© 2013 日本臨床救急医学会
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