抄録
当院は2010 年より,播種性血管内凝固症候群(以下DIC)に対して遺伝子組み換え型ヒトトロンボモジュリン(以下rTM)を用いている。そこで,DIC 症例を対象に,治療薬として合成プロテアーゼ阻害薬(以下SPI)を使用した患者群(非rTM 群)と,rTM を使用した患者群(rTM 群)において,輸血・血液製剤使用量,凝固系マーカーの推移について後ろ向きに検討した。2009 年1 月から12 月までに集中治療室(以下ICU)に入室した非rTM 群27 症例と,2010 年1 月から2012 年3 月までにICU に入室したrTM 群34 症例を比較した。rTM 群では非rTM群に比べ新鮮凍結血漿と血小板製剤の使用量が有意に少なかった(P=0.04, P=0.05)。rTM の使用が輸血・血液製剤使用量を減少させる可能性がある。