日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
小麦依存性運動誘発アナフィラキシーショックの1例
川原 加苗荒武 憲司皆川 雄郷藤田 あゆみ友尻 茂樹
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2013 年 16 巻 5 号 p. 687-690

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抄録

症例は40代の女性。自宅で朝食後,通勤中に気分不良あり。以前から発疹などの症状があったため,抗アレルギー薬を処方されていた。今回もその時の症状と似ていたため,抗アレルギー薬を内服したが勤務先の病院で意識消失した。血圧を測定すると50mmHg台であり全身の発赤も認めたためアナフィラキシーショック疑いにて,処置後救急車で当院に搬送となった。到着時,意識レベルは改善していたが呼吸器・皮膚症状が残存する状態であった。朝食を摂食してから時間が経過して現れた症状であったが,症状消失後の問診にて出勤前にパンを摂食していたこと,以前もパンを摂食後に蕁麻疹の出現があったことを確認することができたことと,さらに現在問題となっている「茶のしずく石鹸」を以前使用していたのを聴取できたことにより小麦アレルギーを疑い検査を施行した。その結果,関連検査にて原因物質の同定に至ることができた。

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© 2013 日本臨床救急医学会
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