日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
原著
大学病院に勤務する非医療従事者を対象とした 簡易型心肺蘇生講習会の有効性の検討
―第2報:受講前後における胸骨圧迫手技の変化―
廣瀬 智也石見 拓呉 聖人瀬尾 恵子山本 紘司真野 敏昭藤野 裕士小倉 裕司嶋津 岳士
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 17 巻 1 号 p. 18-24

詳細
抄録

目的:大学病院非医療従事職員を対象に胸骨圧迫とAED 使用に特化した簡易型心肺蘇生講習会を実施し,その教育効果を調べること。対象・方法:2011年9月から2012年1月の間に受講した56 名に対し,胸骨圧迫とAED 実施に関する質問紙調査を行った。うち29 名の胸骨圧迫手技を客観的に評価した。結果:講習会前後で「反応の確認ができる」と答えた人が9 名(16%)から48 名(86%)(p<0.0001)に,「胸骨圧迫ができる」と答えた人が5 名(9%)から46 名(82%)(p<0.0001)に,「AED を使用できる」と答えた人が14 名(25%)から50名(89%)(p<0.0001)に増加した。また,胸骨圧迫回数が89.6 ± 31.0 回/ 分から107.8 ±16.3 回/ 分(p<0.01)に,圧迫中断時間が2.7 ± 6.2 秒から0.2 ± 0.7 秒(p<0.05)に,5cm 未満の不完全圧迫回数/ 総圧迫回数(%)は18.0 ± 31.8%から5.6 ± 19.0%(p<0.05)へと改善した。結語:簡易型心肺蘇生講習会により胸骨圧迫とAED を実施する自信が向上し,胸骨圧迫手技の技術が改善した。

著者関連情報
© 2014 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top