抄録
救急外来では,紙に救急隊情報を記載し,ホワイトボードに貼る等の方法での情報共有が一般的である。紙運用は一般的に記載速度が早く,情報を集中して記載することができると考えられている。一方で,紙の情報は可読性の問題や,一覧性の問題等,情報共有には適しておらず,研究目的のデータ検索にも適さない。東大病院では,Filemaker ®を使った独自の救急隊情報共有システムを開発し,多職種での情報共有と研究目的でのデータ蓄積を可能にした。今回はデータベース充実率を評価するとともに,同システムに対するスタッフの満足度を評価した。データベース充実率は9割以上を保っており,前年度と有意差をもって上昇していた。また,スタッフ満足度もおおむね良好であった。継続的なシステムの改修,要望の拾い上げを行った結果,スタッフの満足度評価の上昇が得られた。