日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例・事例報告
地方都市における外国人を含む多数傷病者事故対応
松田 律史松浦 誠菅沼 和樹岩倉 賢也中谷 充志賀 一博矢野 賢一淺井 精一早川 達也
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 19 巻 4 号 p. 609-614

詳細
抄録

多数傷病者事故は局所災害であり,消防・医療ともに特別な対応が必要となる。また外国人傷病者は災害弱者として特別な配慮を要する。今回,われわれは外国人傷病者を含む多数傷病者事案を2例経験した。事例1:高速道路上での大型バス1台と大型トラック3台による事故であり,軽症11名,中等症1名,重症1名が生じた。軽症者11名中9名が中国人旅行者であり,分散搬送の困難さから,全傷病者を当院で受け入れた。事例2:一般道路上での大型バス2台による事故であり,軽症28名が生じた。患者は全員中国人旅行者であり,分散搬送の困難さから他院で9名,当院で19名を受け入れた。防ぎ得る災害死の回避のため,分散搬送は災害医療の原則である。しかし,外国人傷病者の場合,通訳者を考慮に入れない分散搬送は,適切な診療に結びつかない可能性がある。軽症の外国人傷病者に対しては,搬送先の集約化も考慮するべきと考えた。

著者関連情報
© 2016 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top