1999 年 2 巻 3 号 p. 338-342
Bystander CPRを普及するのに病院内心肺蘇生法教育が有用か評価するために,当院全職員に心肺蘇生法に関する意識調査を行った。回答率は70.5%で,心肺蘇生法の受講経験者は回答者の70.1%であった。受講経験なしの大多数は事務職であった。心肺蘇生講習経験の有無にかかわらず心肺蘇生教育の必要性を強く認識している職員が90%以上いた。心肺蘇生教育は病院内より院外での緊急時対応に必要とする回答が多かった。心肺蘇生教育に否定的な回答には,未熟な手技による弊害を指摘する意見が多くみられた。以上より,病院内では事務職にも積極的に心肺蘇生法教育を行うべきであり,その教育は受講者が自信をもてるようになるまで行うことが重要である。また,病院職員は病院内より院外の緊急時対応に心肺蘇生法の必要性を強く感じているので,その教育はbystander CPRを普及するうえで有用であると考えられた。