1999 年 2 巻 4 号 p. 432-437
膵十二指腸動脈瘤はまれな腹腔内臓動脈瘤のなかでも2%の頻度でしかない。破裂例が過半数を占め,膵十二指腸動脈の解剖学的特殊性から,外科治療は容易ではない。経カテーテル動脈塞栓術(TAE)で治療し得た膵十二指腸動脈瘤の1例を報告するとともに,本邦の膵十二指腸動脈瘤40例 を集計し検討を加えた結果を述べる。症例:患者は53歳女性,心窩部痛,ショック状態で搬入され た。造影CTで膵頭部後面に血腫を認めたが,出血点は不明であった。補液・輸血で循環動態が安定し,血管造影を行った。後膵十二指腸動脈に径5mm大の嚢状動脈瘤を認めたためマイクロコイルで瘤内塞栓術を行った。塞栓術後,十二指腸血流低下によると思われる一過性の十二指腸通過障害を呈し た以外に合併症なく軽快退院した。結語:膵十二指腸動脈瘤ことに破裂例に対しては低侵襲性と確実性からみて,まず第一にTAEを考慮すべきである。